「あれ?言ってほしくなかった?」と言ったかどうかは分かりませんが、米国議会でのビデオ演説で自国の悲惨な状況を説明するため、ゼレンスキー大統領次のような発言を行いました。(こちらとこちらならびにこちら)
「真珠湾で飛行機があなた方を攻撃し、空が黒く染まった1941年12月7日の恐怖の朝のことを思い出してください。邪悪があなたがたの領土である都市を戦場に変えようと試みた2001年9月11日の恐怖の日を思い出してください。」
“Remember Pearl Harbor, the terrible morning of December 7, 1941, when your sky was black from the planes attacking you. Just remember it. Remember September 11th, a terrible day in 2001, when evil tried to turn your cities—independent territories—into battlefields.”
英国議会でもビデオ演説をしていますが(こちら)、こちらではチャーチルの言葉を引用しこそすれ、ロンドン大空襲(こちら)などについては一切触れていません。この例えについては在日ウクライナ人の方からも「真珠湾攻撃は民間人を的にしなかったので、例えとして不適切だと思います。残念ながら米国でもウクライナでも未だに偏った歴史認識を持っている人が多くいます。トランプ元大統領でも「リメンバー•パール•ハーバー」発言していたので、認識を変えるのに時間がかかるでしょう… とても残念です。」(こちらとこちら)という意見が出ています。
真珠湾攻撃では市街地や非戦闘地域に対する攻撃、非武装の民間人に対する攻撃を禁止する旨が事前に厳重に言い渡されており、ホノルル市街に落ちた日本軍の爆弾は、97式艦上攻撃機の爆弾投下機誤作動による1発だけだったようです。(こちら)
ゼレンスキー大統領はタレントとしての経験をもとに、議会受けするような内容を盛り込もうと演説内容を組み立てたのでしょうが、アメリカ同時多発テロ(こちら)と並べてウラジミール君の蛮行を非難する材料に使うのは、あまり賢くなかったですね。
ドイツでビデオ演説する時はドレスデン爆撃(こちら)のことを例えに使うのでしょうか?しないでしょうね。米国議会で真珠湾を持ち出したのはゼレンスキー大統領の不勉強と軽率が生み出した過失だと私は思っています。
ウクライナのゼレンスキー大統領による日本の国会でのビデオ演説が22日にも実施する方針が与野党の話し合いで合意されました。
日本からも「日本での演説が実現したら、米軍による各地への空襲に言及するのでは?」(こちら)という苦言が出ています。(さらにこちら)
ゼレンスキー大統領はベトナム戦争とか知ってるのかな?(こちらとこちら)ベトナムであった惨状に、今も続いている不幸に、彼がどんな意見を持つか聞いてみたいです。
さて、どんな内容になるのでしょうか?